ヤフーで導入しているということで人気が出ている1ON1ミーティングですが、部下との関係の段階をよく考えないと、関係を悪化させてしまうことがあります。 ここでは1ON1ミーティングの注意点とポイントについて記載いたします。
部下との関係の質により話内容が変わる
ダニエル・キム博士の提唱している組織の成功循環モデルですが、
まず、部下との人間関係はどうでしょうか?
人間関係ができていない段階で行動や結果の話ばかりになっていないでしょうか?
何を話していいのかわからない・・・。
面談の目的は部下の”行動の質”を上げることです。
・おたがいのことをどこまで知っているか?
ここがまずはポイントになります。
おたがいに好きなこと、やりたいことを知っているかが目安になります。
部下の好きなこと、ハマっていることをしらないというのであれば、まず第1段階の関係の質ができていないと言う点です。
もしかしたら「信頼関係」の基本、”ラポール”ができていないのかもしれません。
ラポールとはコーチングやカウンセリングの際に使われる信頼の架け橋という意味です。
お互いの信頼関係がないと部下に仕事を依頼をしてもそれは単なる上司部下、お金の関わりだけになり
依頼をしたこと以外はやらないなど、指示待ち人間を作るきっかけとなります。
日頃から部下に対しての「信頼貯金」が無い限り、なかなか上司の指示をしっかりと聞いて行動しようと思い
思考はうまれないでしょう。
信頼関係、関係の質が良くない限りいきなり「結果の質」を問う話をしても「関係の質」が下がる悪循環に陥ります。
まちがっても上司の自己満足のために行っているのではないので
上司の自慢話をしてしかたがないのです。
その人材の好きなことに興味を持つ
「関係の質」がまずは問題だなという方は、部下それぞれの興味のあること、好きなことを聞き出してください。
まずは、相手の話を聞いて自分との共通点を探していきましょう。
共通点は人と仲良くなる最大の武器になるポイントです。
残念ながら自分との共通点がなく、部下の好きなこと、興味対象について「意味がわからない」という場合でも大丈夫です。
その場合は部下にその内容を教えてもらいましょう。受け入れる必要はありませんが、受け止めることはできると思います。
なるほど、そんなことがあるんだね、面白いということで”柔軟性”を持って部下の話を聞きましょう。
ここで、そんな話は聞けない、馬鹿げていると感じた方は、少しアタマが固くなって来ているかもしれません。
許容範囲を広げて、興味をもって相手の世界観を聞いてみるのも面白いものです。
ここで注意が必要なのは相手に興味を持つというよりかは、相手の好きなことに興味を持ってください。
相手に興味を持って踏み込むのも悪くはないのですが、
人間関係ができていない際に根堀葉掘り聞くとプライバシーの問題になったりするので要注意です。
例えば、女性社員との面談時に「相手に興味があります」は問題が生じますが、 「相手の好きなことに興味・関心がある」ということで共通点や話題のポイントを持っていきます。
相手自身に興味を持ちすぎる質問や話題になるとセクハラや煙たがらる、怪しまれるということになるので要注意です。
部下の好きなことに興味・関心を持つことで心を開き、信頼関係が築きやすくなります。
指示ではなく、質問で思考を引き出し行動につなげる
面談では、どちらが多く話しているかが目安の1つです。
上司の質問力が試されるときです。
質問をすることで、主導権が上司側に来ます。
部下が考えて、イメージをすることが大事なのです。
自分の思考でまずはイメージして頭でトライをさせてみる。
思うような回答がでなくても上司は否定したり、回答と思うような意見を言ってはダメなのです。
あくまで、ヒントを出す感じです。
どのような行動をするといいのかまで部下に考えてもらい行動に結びつける質問が必要です。
未来型質問を多用してうまく引き出しましょう。
指示待ち人間は上司が作っている
上司が答えを言ってしまうと部下はそのとおりのことしかしなくなります。
カウンセリング、ティーチング、コーチング、ファシリテーションの使い分けを部下の理解度に合わせて使い分けをしているのかが大事になります。
過保護にずっと教えている、指示したほうが楽としていると本当に動かないお荷物さんを作るだけです。
自分で考えて動かないので、結果がでても面白く感じないのです。
思考の質の部分でどのような行動をすればいいのか、部下に考えてもらい思考錯誤して成長することが求められます。
作戦を立ててから面談を行う 部下のタイプに合った言葉がけ
まず、面談は継続することが大切です。1回や2回で終わる、あるいは半年に1回とか年1回評価とあわせるというものではなく15分でよいので月1回か2回計画的に実施すべきものです。
もちろん日頃からの声がけや承認をするのも大切です。コンディションチェックと合わせて状況をすること。次の面談までにお互いの宿題を行うこと。これがないと形骸化したただ話をするだけの時間になってしまいます。
そのため、まずは実施前に先回の面談での話を振り返りなにをするのか、なにができたら良かったのかを振り返ります。
ここはシステムを使っても、使わなくても大事なことです。部下に変化、向上を望むならば、上司も変化し向上する、会社もよい方向へ変化・向上をしていかないと部下もやる気がおこりません。
部下のタイプをしっかりと把握しておくことが必要です。
変化欲求の強いタイプは、目的志向型が多く、課題をどんどん乗り越えて頑張ろうといくメッセージが響きますが、安定欲求が強いタイプは問題回避型です。課題来ても困らないように手を打打ちましょう!のようなのりこえるよりも避けようという声がけのほうが響くのです。
どの話題で関係の質を高め、どの質問で思考の質を高めるか、事前にプランニングをすることをおすすめいたします。
なれれば、自然にできることですが、はじめはきちんとプランニングをしましょう。また、日頃から部下に対して気づいた点などをノートにメモしておきましょう。
なにより、承認を心がけること、やる気を出すということよりも、行動をきちんとさせるということがゴールなので出来ていない点にフォーカスをするのではなく出来ている点を中心に話すようにしましょう。
そして、気になる点は質問形式で本人が自覚して、改善を自身で考えるようにしましょう。
アドバイスや経験を話す場合は、あらかじめ許可を取って話すようにしましょう。
次回までの宿題ややるべきことは部下から話してもらい確認をしましょう。